Last Grace2

〇革新的で楽しめるゲームシステムの数々
〇一筋縄では攻略できない挑戦的な難易度
〇クリアしてからが本番のやり込み要素

目次

概要

「Plain Soft」様製作のフリーゲームRPG。
ナンバリング作品だが前作との関連性は無いため、未プレイでも楽しめる。
全体を通して難易度が高いため、きちんとシステムを理解しなければ攻略できない作品である。やり込み要素も豊富で、それも含めれば50時間以上はかかるはず。

ストーリー

自分がなぜここに居るのか分からない。開幕から主人公が記憶喪失状態で物語は始まる。
成り行きでモンスターに襲われている子供を助けたことで、腕を見込まれボディガードを依頼されることに。ボディガードの対象は絵にかいたようなお転婆お嬢様フィルネ。彼女に振り回されつつも友好を深める二人。しかし、ふとした油断からフィルネが何者かに攫われてしまう。

フィルネを攫った犯人はメイドとして働いていたピアゼル。
どうにかピアゼルの手から逃れることが出来た一行。
助けを求めるべく、出張に行った父親を追いかけることに。

ボディガードをキッカケに始まった小さな旅のはずだった。
しかし、思いがけない出来事がルディ達を襲う。
はたしてルディ達の運命は…

ゲームシステム

リアルタイム成長システム

  • 攻撃や回復、魔法等を使うことでそれに応じた熟練度が上昇(右真ん中)
    • 熟練度が一定になるとHP等パラメータが成長し新たな魔法やスキルを覚えることが可能。
    • 熟練度の成長はリアルタイムで行われるため、一回の戦闘で大幅な成長を遂げることも可能。

フロウ付与システム

  • 敵味方問わず補助効果が発生する行動を取ることで付与され、キャラ毎に最大で5つ付与することが可能(右下)
    • ステータス異常 or 補助を5つ付与できると考えると良いだろう。
    • フロウは左から右に順に付与され、5個を超えると古い方から順に消えていく。
    • フロウ操作スキルにより比較的簡単にフロウを追加、削除することも可能。
    • 多くのフロウは重複可能でそれだけ効果が増していく。
    • 3人とも3番目に同じフロウを付与出来ると性能が超強化されるボーナスあり。

編成システム

  • 真ん中のゲージ最大になるとメンバーの再編成をすることが可能。
    • 再編成を行うと以下の利点がある。
      • メンバー順を入れ替えることが可能。
      • 控えメンバーとの交代が可能。
      • 控えメンバーの戦闘不能者と交代するとHP1で復活。
      • 必ず先制攻撃できる。
    • キャラを入れ替えてもフロウは入れ替わらないことが大きなポイント。

熟練度ポイント

  • 戦闘やイベントをこなすことで増えていき、キャラクターを自由に強化することが可能。
    • ボス戦前に少しでもパラメータを上げておきたい。
    • 普段上がりにくい特定の能力を増やしたい。
    • 雑魚とのレベル差でこれ以上上がらない。
      • といった理由で活用機会があり、攻略には無視できない要素の一つ。

ソウルポイントシステム

  • 戦闘をこなすことでソウルを取得でき、以下の通り幾つかの使い道がある。
    • 全回復
      • 読んで字のごとく、味方キャラを全回復する。
    • 魂の羽根
      • 指定したキャラクターを超強化出来るアイテム。
        • キャラの特性に合わせた大幅な強化が可能。
    • レア装備品入手
      • 特定の武器防具を入手することが出来る。
        • 敵全体を攻撃できる武器から、味方を回復できる杖など。
        • 貴重な能力を持つため、活用していきたいところ。
    • オリオンメダルの入手
      • 簡単に言うとご褒美ダンジョンへの入場券。
        • 限られた制限がある中で上手く立ち回ることができれば、貴重なイテムを入手可能。
        • パズル的な要素があり、プレイヤーの力が試される。
  • このように、パーティの状況に合わせて上手くソウルを活用することが求められる。

装備システム

  • これは個人的に最もオリジナリティを感じた要素。
  • 装備品に「LV」「SL」が個別設定されており、強化アイテムによってレベルアップが可能。
    • 「LV」について
      • 「LV」の最大は99。
      • 「LV」を上げることでパーティボーナスが付与される。
        • パーティ全体に対して有効で、特定のステータスが永続UPされる。
        • 地味ながらも響いてくる要素のため積極的に上げる必要が出てくる。
      • 「LV」を50まで上げると超強化ボーナスが発動。
    • 「SL」について
      • その装備の持つ固有能力の強さを示している(上図で言うと[回避])
      • レベル10毎か、同種の装備を入手することで上昇する。
      • 最大で10。最後まで強化するとかなり強くなる。

評価したい点

いいいいいいいいい

オリジナリティ溢れるゲームシステム

  • 本作はゲームシステムにとても力が入っている作品。
    • 戦闘システムにおいては「フロウ」と「編成」を上手く活用することで、一見倒せない敵も工夫次第で撃破できる戦略性を秘める。
      • 例えばまず雷のフロウで身を固め、編成でベストメンバに入替。
      • 被ダメージを最小限に抑え、一方的に有利な展開を迎えることが出来る。
  • フリーゲームにおいて、ここまで戦略性の高いゲームはあまり無いだろう。

熟練度やソウルを使ったカスタマイズ性の高さ

  • プレイヤーには前述したような様々な選択肢が提示され、自由な強化が可能。
    • レアな武器防具を取るか?
    • ステータスを超強化するか?
    • ご褒美ダンジョンを潜るか?
  • こうした自由度の高さもまた本作の魅力である。
    • 逆に言うと自分で判断してベストな選択をしなければいけない。
    • 本作は難易度が高いためこの選択は非常に重要。

固定概念を覆す武器防具の成長システム

  • この仕組みは、一般的なRPGが持つジレンマを解決する一つの手法では無いだろうか。
    • 普通のRPGであれば、最強装備にするため全員分の装備を買おうとする人も居るだろう。
    • たいていの場合は少し先に進むと強弱の差はあれど、新しい装備が手に入る。
    • 最悪の場合、大枚はたいて買った装備品は不要になり、ふくろの肥しになることが多々ある。
      • 対して本作は、装備品は初期装備を除き一つしか所持できない。
      • 買い物をしても即売り切れになるため、普通のRPGのように複数買いをして後で損をすることはまずありえない。
  • むしろこの仕様がこうじて、装備品を誰にどのように分散すべきか否応にも考えさせる良いスパイスになる。
    • どれだけ強い装備が手に入っても一人にしか装備させることが出来ないため。
  • 戦闘勝利時に敵がアイテムをドロップするのは定番。
    • でも多くの場合は「何だまたこの装備か」と低性能の装備品が嫌がらせのように溜まっていく。
      • 実際はそういったケースが多いだろう。
    • さて本作では、要らない装備品でも既に所持している場合は最大でSLが10まで上昇する。
    • それにより装備品が持つ固有スキルも強力になるため、一見すると弱い装備品でも装備候補になりえる。
      • 忘れてはいけないのが、装備品のレベルを上げることでパーティボーナスが発生する。
      • このシステムのおかげで、たとえ弱い装備品を入手したとしても結果的にパーティ強化に繋がる。
  • 総じて良く練られたシステムだと思う。

痺れる高難易度

  • 本作はかなり難易度が高いうえにカスタマイズの自由度が高いので、多くのことを行う必要がある。
    • 装備を取りこぼさず、サブイベントをこなし、適切なパーティ強化をし、キャラクター適性を見極め、戦闘では臨機応変かつ冷静に対応する。
      • これでようやくこのゲームの土俵に立つことが出来る。
  • しかし本作はしっかりと立ち回ればRPGで忌避されがちな無駄なレベル上げや金策はあまり必要無い。
    • そう考えると、本作はプレイヤースキルが試されるゲーム。
      • RPG経験者ほど納得いく作品に仕上がっていると思う。
  • 作者様の想いとして、RPGの難易度が低い場合はゲームシステムが機能していないと感じることがある、とこぼしている。
    • 難易度が低いと、ゲームシステムを無視してある程度ごり押ししてクリア出来てしまう。
    • もしくは、ゲームシステムを理解することでゲームが簡単になりすぎてしまうことも。
      • 本作の難易度が高いのはそういった思想、信条から生まれたものなのだろう。
  • 難易度選択は出来ないためRPG初心者や苦手な人には辛いのは間違いない。
    • 最悪クリア不可能になる可能性があることから、客観的に見ればこの要素も問題点と考えられる。
      • しかし作者様によると、ゲーム制作には大きく分けて二種類に大別されるそう。
      • そして本作は後者であり、作者様のポリシーとして自分が楽しむためにゲームを作ってると公言している。
        • 人が楽しめる作品を作る
        • 自分が遊びたい作品を作る
  • そして、本作最大の売りはゲームシステム。
    • このユニークかつ絶対的な素晴らしいゲームシステムが自身に合わないと感じたなら、無理して続けなくても良いと私は思う。
      • 寧ろこの思想はある意味ではフリーゲームという配布形態にマッチする真理だとも言えるかもしれない。
      • 利益に囚われず、自身が作りたいものを作る。そんなフリーゲームの魅力を感じられる作品である。

豊富なやり込み要素。

  • 本作はゲームクリア後が本番。
    • ゲームクリア時点程度の実力では歯が立たない、超強力な裏ダンジョン、裏ボスが多数存在する。
      • 制覇するには相当な時間と戦略が必要だろう。

気になった点

主人公ルディの性能

  • 主人公補正とはいえ攻撃、回復、補助とあらゆる性能に秀でており、一回たりとも戦闘から外せない。
  • 彼の強さを特に表している初期スキル「応急手当」
    • 味方キャラのHPを自身の現在HP×0.8回復させる性能を持っており、これが猛威をふるう。
    • 他のRPGでなら割と良く見るレベルの性能かもしれないが、本作はHP回復の手段が乏しい。
      • 戦闘において回復アイテムは使用回数制限があり、沢山所有していようがその回数しか使えない。
      • 回復魔法はというとこちらも微妙で「信仰」という熟練度が高くないと殆ど回復しない。
        • しかもMP消費量や実行速度は「応急手当」のほうが優秀。
  • 加えて打たれ強くHPも高いため、前述したスキルとの相性が非常に良い。
    • 最大6人パーティで編成して戦う面白さはあるのだが…。
      • ルディを入れてないと簡単に崩壊するバランスに仕上がっている。

やや高いエンカウント率

  • ランダムエンカウント方式である以上、エンカウント調整アイテムは欲しかったところ。
    • ちなみに戦闘から逃走することは可能だが、MPを大量に消費してしまう。
      • おいそれと逃走の選択肢を与えないという思惑が見て取れる。

ゲームシステム以外の魅力に乏しい

  • ストーリー
    • 全体的に既視感のあるストーリーでRPGを多くこなしている人には物足りないかもしれない。
      • もちろんドラクエ1のような魔王を倒すだけのストーリーとはちょっと違うのだが。
  • 脚本
    • 本作のイベントシーンは全てノベルゲーム形式で構成される。
    • これ自体が問題とまでは言わないが、ノベルゲームではテキストや演出が命。
      • 対して本作では、全体的にテキストの物量が少なく感じ、演出も少なく淡々と進む印象を覚えた。
      • そのせいかキャラクターの心情がつかみにくかったり、イベントがあっさりしている印象を覚えた。
        • その結果、どうしてもストーリーやキャラクターが印象に残り辛かった。
    • じつは本作の制作では、キャラクター同士の会話は必要最小限に抑えたいという作者様の想いがあった模様。
      • 淡泊な印象を覚えたことはそういった背景もあったのかも。

総評

LastGraceⅡの魅力はなんといってもゲームシステム。
オリジナリティあふれる特徴的なシステムを兼ね備え、自由度のある育成が可能。敵も強く、歯ごたえある戦闘を楽しめる。特に、武器防具に関する育成システムは全てのゲームを含めて唯一無二と言っていいだろう。

反面、それ以外に特筆すべき点が少ないのは気になってしまった。
人が楽しめるものではなく、自分が楽しめるものを作った。その言葉に違わぬ尖った作品に仕上がっている。ストーリーよりもゲームシステムや痺れる高難易度を楽しみたい。そんなかたには間違いなくオススメの逸品だ。

ゲームプレイ

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