忍屋

〇ツクール作品とは思えない世界観構築、作り込み
〇フリーゲームには珍しい隠密アクションゲーム
〇世界観にマッチした和風BGMの数々

目次

概要

「dokococo」様製作のフリーゲームアクション。
ゲームエンジンはRPGツクールが、全くそれを感じさせないオリジナリティ溢れる作品。
当時の時代に合わせて画像や背景、BGMを採用しており、全体的にとても丁寧に世界観が描かれているのも特徴。アクション面ではいわゆる忍殺が本作の目玉。忍らしいアクションを駆使し任務を遂行するステルスゲー。また、ストーリーも短編ながら綺麗にまとまっており、総じて高品質な作品に仕上がっている。

ストーリー

本作の舞台は忍者が活躍する今より昔の戦国時代。
忍者見習いの椿は頼れる兄貴分である弦ノ助と共に、初任務をこなすことに。

任務を無事に終えてホッとしたのもつかの間。闇夜に紛れ次なる刃が椿を襲う。
刺客に心当たり覚える弦ノ助。椿を抱えて、安全な場所へ彼女を保護することに。
そして、目が覚めた椿が見たのは薄樺町の診療所だった。

弦ノ助は心当たりについて調べるため、信頼できる忍屋の長である孫条に彼女を託し、別行動をとることに。実は椿には生き別れた母親を探すという目的もあり、孫条から忍屋で働いてみないかとの提案を受ける。

かくして忍屋で働くことになった椿。
果たして椿は母親に会うことが出来るのか。そして、椿を襲った刺客の正体とは。

ゲームシステム

気配メータ―

  • 左上に表示された気配メーターを頼りに敵を倒しダンジョンを攻略していく。
    • [無]
      • エリア内に敵がいないことを表す。
    • [気]
      • 近くに敵がいることを表す。数値が大きいほど近くに敵がいる。
    • [視]
      • 敵に気配を感じ取られている状態。即座に距離を取るなど対処が必要。
    • [殺(赤)]
      • 完全に敵に見つかった状態で襲い掛かってくる。暫くすると警戒が解け、[殺(青)]に移行。
    • [殺(青)]
      • 敵がこちらを見失い探している状態。

隠れる

  • マップ内には隠れられる場所が青色で表示されており、そこに居る間は敵に見つからない。
    • 時間制限や回数制限は無いので気楽にノーリスクで使用可能。

心眼

  • 遠くまで見渡すことができる。地味だが隠密行動に必須のスキル。

忍殺

  • 本作最大の特徴
    • 背後から接近し攻撃することで敵を一撃で倒すことが可能。
      • 椿は戦闘能力が低いため極力、忍殺を使って進むことが求められる。

アイテム購入&技習得

  • ストーリーが進行すると忍びの技の習得やアイテムの購入が可能。
    • これにより攻略の幅が広まる。

評価したい点

細部まで徹底された拘り

  • モブキャラにも顔グラや歩行グラを用意していたり、味方もザコ敵もボイス付き。
    • 使用されている背景や画像も時代を感じるものばかりで、世界観の構築を徹底している。
      • キャラのモーション周りにも特にこだわっていてイベントシーン毎に特別な姿勢や動作が用意されている。
      • ちなみに本作をクリア後には設定資料集が解放される。
        • 作品の裏側が覗け、ゲーム好きには嬉しい要素である。
  • このようにフリーゲームでここまでこだわる作品は極稀。
    • 作り込みはトップクラスだと断言できる。

ゲームシステム

  • 炎や雷を出す忍ばない忍者がいる作品も有るなか、悪く言えば地味、良く言えば忍者らしい隠密行動を体験できる。
    • 夜に忍び、隙を付いて敵を一撃で次々と倒していく。そういった快感が本作には存在する。
      • ちなみに見つかってしまった場合はやや不利な形勢に陥るものの、まぁ割と何とかなる(詳細は問題点で後述)
        • このように、単なるアクションゲームと言い切れない、フリーゲームの中でも随一を争うゲーム性だと言える。
  • 余談だが本作のモーションはストリートファイターを中心とした格闘ゲームを、ゲームシステムはとあるアクションゲームをモデルにしている。
    • そのゲームの名前は「天誅」。プレイステーションⅡやXBOX等で発売された隠密アクションゲーム。
      • マップこそ3Dだが世界設定や忍殺をはじめとするゲームシステムには多くの共通点がある。
      • 本作は天誅好きが集まる年越しチャットで次回作について話し合い、紆余曲折あって生まれたものだと作者様は語っている。
      • 少し古い作品だが、そういった作品群をプレイしているとなおのこと、楽しめるかも?

世界観にマッチした和風BGM

  • 昨今のゲームの規模から見ると総数30曲とやや少な目なものの、本作の全体ボリュームを鑑みると十分と言える。
    • 全体的に派手さは無いが、珍しいジャンルなので是非一度立ち止まって聴き入ってもらいたい。
      • さらに本作はフリーゲームとしては珍しく、メインテーマソングもある。
        • この点にも作り込みの徹底さを感じられる。
      • 少し大変だが条件を満たすとタイトル画面から視聴出来るようになるので挑戦してみては?

気になった点

もう一声な隠密要素

  • 本作では隠密に失敗し敵に見つかっても割と何とかなるため、隠密の緊張感がやや低下してしまう。
    • 複数の敵がいるシチュエーションで見つかっても他の敵は挙動が変わらない。
      • 他の敵は素知らぬ顔で、襲ってくるのは見つかってしまった一体だけ。
      • それどころか忍殺を決めることも可能。
    • 敵に見つかってもあまり深追いしてこないので割と簡単にやり過ごてしまう。
      • 警戒が解けるのも早いので、ほとぼりが冷めた後に忍殺し直せば良い。
        • 見つかることによるペナルティを用意すると良かったかも。

単調なボス戦

  • ボス戦では忍殺することが出来ないためガチバトル。
    • 椿は本来隠密をメインに活動するため、あまり戦略のバリエーションが無く少々ボス戦が単調に。
      • 隠密メインなのでスタンスは理解できつつも、ジャンプ攻撃などもう少しバリエーションが欲しかった。

ややボリューム不足なストーリー

  • 本作は短編であり、6時間程度でクリアすることが可能。
    • ゲームのプレイ時間としては比較的短め。
  • 特定のキャラクターについてはもう少し掘り下げて欲しかった。
    • 描写があまり無いので、察する必要がある場面も幾つか。
  • クリア後に解放される年表などの情報によって、一通り理解することは出来る。
    •  出来れば本編で演出して欲しかったところ。

総評

忍屋はRPGツクールで作られたとは思えない、丁寧に構築された世界観が特徴のアクションゲーム。派手なアクションは無いものの、闇に紛れて世を忍び、敵を倒す爽快感には確かな唯一性を感じる。目立った欠点も無く、そこまで時間もかからないので、是非一度プレイしてみてはいかがだろうか。

ゲームプレイ

Freem!

フリーゲーム夢現

公式サイト

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