『停滞少女』レビュー|少女が世界の時を取り戻す短編フリーゲーム探索RPG

〇人間の世界の時間を取り戻すため、時計の針の欠片を集める探索RPG
〇全体的にシリアスで暗い独特な世界観が魅力的な一作。
〇シンプルだが意外と難しい一対一の戦闘システム

目次

概要

うた氏によりRPGツクール2000で作成された短編RPG作品。全体的にシリアスで暗く独特な世界観が魅力的な一作。シンプルだが意外と難しい一対一の戦闘システムも特徴。プレイ時間は4時間程度。

ストーリー

命の大地はいわばダンジョンであり探索先のマップを意味する

「—秩序の許に世界は成り立つ」
「——秩序を守らなければ世界を護れない」
「———分かりますか?分からないから、あなたは死んだのです」


——アリスは、「時計の国」に住む女の子。進みゆく人間の世界「命の大地」を見守りながら、平穏に暮らしていました。しかしある日、命の大地の時間を管理する大時計の針が壊れ、あらゆるものが停止してしまったのです。時間を取り戻す小さな旅。そこにはアリスの記憶を揺さぶる風景があって…?

全ての時計の針を取り戻した先に待つ結末とは?アリスの記憶の真相とは?

ゲームシステム

一対一のシンプルな戦闘システム

シンプルだが意外と考える必要があり難易度は普通より少し上くらいか

本作はランダムエンカウントを採用しておりほぼ例外なく一対一のタイマンでの戦闘である。キャラクターのAGIが高いほどNextゲージが早く溜まっていき、溜まった方から行動可能となる。キャラクター行動時には事前に5つの装備スロットに装備したスキルやアイテムを使って戦闘が進行するというものだ。

ここでポイントとなるのが『EC』という要素だ。スキル説明を見ると分かるが、多くのスキルはECを必要として発動でき、自分のターンが来るたびに必ず一つ増加し最大で4まで溜めることが可能だ。スキルには強い効果を持つEC消費の高いスキルもある反面、防御などECを全く消費しないスキルもあるので、ボス戦など強敵との戦いではECをある程度溜めながら戦うことも求められる。

実はこの仕組みは敵側にも全く同じことが言える。たとえば敵が防御を連発している時などは大技の準備をしている可能性が高い。敵によって思考ルーチンが異なったりしてちょっとした駆け引きが楽しめる、というわけだ。

なお、本作はシンプルな戦闘システムであれど意外にも難易度はやや高め。後述するスキル習得システムで多数のスキルを習得できるため、わずか5個しかないスキルセットの吟味に試行錯誤することになる。これこそ本作の醍醐味と言えよう。

スキル習得システム

プレイスタイル次第で、ゲームクリアしても習得しないスキルもあり得る

このスキル習得システムは少々珍しいので紹介しておきたい。主人公のアリスは特定の条件を満たすとスキルを習得することが出来る。サガシリーズで言うところの閃きとは少し違い、条件を満たしてしまえば戦闘終了時にスキルを習得出来るという仕組みだ。基本的にはストーリーを進めつつ覚えたスキルを満遍なく使っていけば良いのだが、やや習得難易度が高いスキルもあったりする。

育成システム

自由に割り振りが可能なので縛りプレイにも便利

本作はレベルアップという概念はない代わりに戦闘勝利時に入手するForce、つまりは経験値を使ってポイントの割り振りを行う仕組みだ。放っておくと割と直ぐに溜まっていき、戦闘に敗北してもForceが無くなるようなペナルティも無いため積極的に割り振っていこう。特にこだわりが無ければ均等に割り振っていけばそれで十分である。

ちなみにForceはアイテム購入など買い物にも活用できるお金的な側面もある。とはいえ本作でアイテムが活躍できる機会は少ないため、おまけ程度の要素としてとらえて欲しい。このあたりは気になった点にて後述しよう。

評価したい点

シリアスで薄暗く丁寧に描かれた世界観

セピア調でどこかゴシックさを感じる美しきマップ構成

本作で最も評価されているのがこの点である。主人公アリスは時の針を入手するため『命の大地』つまり、かつて動いていた世界を旅することになるのだが、このマップ構成がとても良く出来ている。いまなお根強く人気のあるRPGツクール2000特有のゴシックさのあるマップチップと、セピア調に統一した色使いが見事だ。MIDIで構成されたBGMも全体的に雰囲気にあっており、プレーヤーはこの世界観に魅了されることであろう。

もちろん、ゲームを進めることで明らかになっていくアリスの記憶の真相や世界の真実見応えがある内容だ。美しき世界観とストーリーがマッチした良作だと言えるであろう。

世界観にばかり目がいきがちだが、徐々に明らかになっていく物語も必見だ

気になった点

戦闘システムの評価は賛否両論

わりと特徴的な戦闘システムだが、評価は様々で良い声もあり悪い声もある。

確かに、少ない装備スロットにスキルセットを吟味してボスと駆け引きしながら戦う仕組みはなかなか面白い。短編ながら裏ボスも控えており、それらを踏まえると戦闘のやり応えは十分に感じられるはずだ。

反面、雑魚戦は駆け引き要素が薄く単純作業になる傾向が強いので、これがゲームクリアまで続くため単調になりがち。ランダムエンカウント方式1で戦闘を強制されることもそれに拍車をかけているように思う。他にも、攻撃するために防御等を行いECを溜める行為が手間に感じるといった意見もあった。

アイテムもスキルセットに装備出来るのだが、ほとんど役に立っていないのも問題である。例えば仮に回復アイテムを複数所持しているとしよう。しかしこれをセットしても一度使うとスキルセットから無くなってしまい、再セットが必要と非常に面倒な仕様である。

こういった点が本作の評価を下げてしまっているのは否めないところだ。

総評

戦闘システム面で多少なりとも気になる点はあるものの、セピア調で統一されたシリアスでゴシックな世界観は本作独自の特徴的な要素であり魅力的である。プレイ時間も短めなので多くの人に遊んでみて欲しい。

ゲームプレイリンク

フリーゲーム夢現

脚注

  1. ランダムエンカウント方式が一概に悪いとは思わないが、エンカウント率を調整するなりの要素が何かしら欲しかった。 ↩︎
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