目次
概要
ストーリー


ゲームシステム

1対1のタイマンバトル
- 手持ちのアイテムやスキルから一つ選択し、表示されている分だけ行動ポイントを消費する。
- 敵側と比較して行動ポイントが早い方が先に行動する。
- 先に行動した方は次の相手の行動に備えることができる。
- 当然であるが、行動ポイントが少ないほど有利である。
- 行動選択できる内容は幾つかの種類に分別される。
- 剣、盾、弓、魔法、といったところ。
- 例えば魔法を詠唱中の敵には行動が短い弓が効果的。
- 短いターンで攻撃を繰り出す相手には剣や盾をメインに戦うのが良いだろう。
- 最善手は存在しない、じゃんけんのような仕組みになっている。
- それぞれ明確な長所と短所を持っているため、敵の行動を予測し、ベストな選択を心がけよう。
- 剣、盾、弓、魔法、といったところ。
アイテム強化
- 本作では、プレイヤーキャラクターであるヘレン自身はレベルアップしない。
- 戦闘で経験値を得ることはできるが、そのポイントは取得したアイテムの強化に使うことになる。
- レベルは+1から+10まで上げることができる。
- 多数のアイテムが手に入るので、好みや直感に合わせて取捨選択することが求められる。
- 経験値の割り振りが適切でないと多少のレベル上げが必要になる場合もある。
評価したい点

- 一見すると1対1のシンプルな戦闘に見えるが、本作のキャッチコピーは「少しだけ考えるRPG」。
- その名に恥じず、ある程度考える要素のあるバランスに仕上がっている。
- 本作にはランダム要素が皆無と言って良い作品であることも大きな特徴。
- RPGには当然のようにランダム要素が存在する。
- 命中率、回避率、ダメージ乱数、ステータス異常率に加えて敵の行動思考。
- 挙げてみると非常に多いが、 本作はそれらをほぼ全てシャットアウトしている。
- ステータス異常という概念もなく、ダメージも乱数無い。
- これには作者様の意図が介在していた。
- 先に挙げた要素はプレイヤーの意思決定の後に否応なく訪れてしまうことが殆どで、それにより悪い結果に転がりストレスが溜まってしまう。
- これらのランダム要素を排除させたいと思った結果、 このゲームデザインに行き着いたとのことである。
- 運要素を排除しつつゲーム性をもたらした戦闘システムにより、プレイヤーは運要素に頼らず勝つことへの達成感を感じることができるわけである。
- 命中率、回避率、ダメージ乱数、ステータス異常率に加えて敵の行動思考。
- RPGには当然のようにランダム要素が存在する。
丁寧な体験型チュートリアル

- この特殊な戦闘システムをプレイヤーに体験してもらうための導入も大変に丁寧。
- フリーゲームゆえすぐに操作を止められてしまうことを 考慮し、オープニングから即座に戦闘を体験できるよう工夫している。
- オープニングイベントが存在しないという想いきりの良さ。
- 昨今のゲームのチュートリアルよろしく、 誰にあれしろこれしろと指示されることはなく、 段階的に敵やアイテムが設置されている。
- 最初のダンジョンをクリアする頃には誰に言われずとも一通りの操作方法を習得出来ているはずだ。
- のちに作者様は「多くのゲームのチュートリアルパートが退屈で嫌いだったため『ゲームを遊んでいて楽しい』という情報を徐々に学んでもらえるよう工夫した」と語っている。
- フリーゲームゆえすぐに操作を止められてしまうことを 考慮し、オープニングから即座に戦闘を体験できるよう工夫している。
- この丁寧に作られた体験型チュートリアルは、かの名作アクションゲームを思い起こすほどである。
- 一見するとシンプルながらも、バリエーションに富み、楽しめる戦闘システムに仕上がっていることがお分かり頂けると思う。
良く動くドットグラフィック
- 戦闘をはじめ、ゲームを面白くしている要素の一つとして、 とにかく良く動くドットグラフィックが目を惹く。
- 主人公のヘレンは勿論、ボス、ザコ問わず、 とにかく良く動くことには驚きを隠せない。
- 戦闘以外でもちょっとした所作にもアニメーションが 実装されており、プレイヤーを飽きさせない工夫が感じられる。
- こんなにも良く動くフリーゲームは本作以外には そうそう見かけないものであると断言できる。
- 当初は敵側はただの一枚絵にしたそうだが、戦闘をしている実感が得られず双方動くように改修したようだ。
- 作品の雰囲気を高めるための工夫として、 マップについても是非取り上げておきたい。
- ツクール2000で作られたため多少の古さは感じるものの、全体的に工夫を感じるマップ構成。
- 要所には隠し通路もあったりする。
- まるで大昔のスーパーファミコンのゲームを遊んでいる錯覚を受けるほどだった。
- ツクール2000で作られたため多少の古さは感じるものの、全体的に工夫を感じるマップ構成。
短いがまとまりがあり読了感のあるストーリー
- ここまででもゲームとして十分合格点であるが、本作はストーリー面でも評価の高い作品である。
- 本作のプレイ時間は5時間程度と短編モノであり、これはRPGとしてはあまり長い方ではない。
- それでいてプレイヤーの記憶に残る、短いながらも綺麗にまとまった盛り上がりのあるストーリーに仕上がっている。
- もう一つ私が驚いたのが、本作がもともとはVIPRPGといういわゆるアングラな世界からの出典であったこと。
- VIPRPGとは当時2チャンネルのツクールスレッドにてツクラー達が作品を持ち寄り、感想を出し合うという場所。
- なんと2023年となった現在も 定期的にイベントが開催されているようだ。
- 本作もどこかでVIPっぽさ、身内ネタなどが仕込まれているんじゃないかと少し邪推していたが、その心配は杞憂に終わった。
- 物語は真面目そのものであるため、安心して遊べる。
- それでいてVIPRPG定番キャラの名前がある等、実はひっそりとそういう要素もあり、知ってる人は楽しめる構成になっている。
- 知らない人も、知ってる人も楽しめる。本作はその理想を体現した作品であるということだろうか。
- VIPRPGとは当時2チャンネルのツクールスレッドにてツクラー達が作品を持ち寄り、感想を出し合うという場所。
Midiを中心としたクォリティの高いBGM
- 本作はBGMも高品質なものが揃っている。
- ツクールデフォルトのBGMも幾つかあるが、ボス戦BGMや終盤で流れるイベントBGMは記憶に残る曲に仕上がっている。
- 本作の曲はほぼ全てMIDI楽曲である。29曲中、MP3はたったの1曲だけしかない。
- 容量は全部含めてもたったの7メガバイトと驚異の容量である。
- MIDIの仕様上、低容量を確保できる反面、 単調な音しか出せない傾向にあり、またパソコン本体の再生環境に大きく依存する。
- 時代の変化と共に1曲あたりのボリュームはおよそ 大した問題ではなくなり、長所が失われたことで、 MIDIは徐々に表舞台から姿を消してしまった。
- 現在メインで普及しているWindows10でもMIDIは再生できるが音質が良いとは言い難く、PCのカスタマイズを強いられることもある。
- 対して、28曲も複雑かつ良質なMIDI曲が揃っていながら、本作はその全てを最新のWindowsOSのデフォルト環境で再生できる。
- なかなか気づきにくい点かもしれないが、これは確かな長所といえる。
- 対して、28曲も複雑かつ良質なMIDI曲が揃っていながら、本作はその全てを最新のWindowsOSのデフォルト環境で再生できる。
- 上述した要素はいずれも一昔前のゲームを知らない人には分かりづらい評価点だと思うが、ご理解いただけると幸いである。
気になった点
これといって見当たらない
- しいて言えば、 隠し通路がノーヒントで分かりづらいかもしれない。
- そうしたプレイ感想を挙げている人もいるのだが、実はヒントは作中のどこかで必ず提示されている。
- ノーヒントで無茶な攻略をさせるのではなく、しっかり探索すれば本作の全てが理解できる。
- これもまた評価点の一つとも言えるのでは無いだろうか。
- そうしたプレイ感想を挙げている人もいるのだが、実はヒントは作中のどこかで必ず提示されている。
- さらに重箱の隅をつつくような指摘をするとすれば、 本作が短編RPGということだろうか。
- 長編モノをじっくりと遊びたい人には不向きかもしれない。
- キャラクターの総数は少ないし、物語も短い。
- このシンプルな戦闘システムに関しても短編だからこそと言えるかもしれない。
その後の動向
総評
ふしぎの城のヘレンは短いプレイ時間の中で、全てが高水準にまとまったRPG。
シンプルだけど奥深い戦闘システム。短いながらもまとまった盛り上がりあるストーリー。良く動くドットアニメーション。特にシステム面ではレベルアップにパーティー編成、装備カスタマイズとやることが多い昨今のRPGと比較し、全く異なるアプローチを取っていることに大変オリジナリティを感じられる。
RPGが好きな人にはきっと刺さる作品なので、ぜひとも遊んでみてほしい。
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