あすなな -アストリア王国騎士団第七小隊 –

〇”守るべきもの”の為に、少女は剣を取る
〇中世とファンタジーの融合を体現した世界観

〇戦争や魔術が複雑に絡み合う評価の高いストーリー
〇ギャグ要素とシリアス要素の融合

目次

概要

「黒幕帝劇場」様製作のフリーゲームRPG。本作はストーリー重視の作品であり、随所に演出が光る。ゲームエンジンはRPGツクール2000を使用し、BGMにはMidi楽曲を多く採用。
プレイ時間は20時間と大ボリュームの作品。

ストーリー

本作の舞台は中世より少し後の、産業革命時代真っ只中という慌ただしい時代。
この時代では世界の覇権をめぐり、大陸と大陸、国と国とが小競り合いをしていた時代でもある。

そんな中、歴史を揺るがす大きな事件が起きてしまう。
戦乱の世を憂い、和平交渉を決断したある帝国の王子が、あろうことか身内の謀略により殺害されてしまう。

ベルラント帝国はこの事件をキッカケに交渉決裂。
亡くなった王子の弔い合戦という大義名分を掲げ、ウィルランド共和国領であるモルガナ公国を襲撃。ベルラント帝国はこうしてモルガナ公国を掌握。相対するウィルランド共和国とは膠着状態に。

そんな大国に囲まれた小さな国アストリア王国。本作のメインとなる舞台はここ。
主人公である若き見習い騎士のアリアは大臣から、遊撃騎士団設立に向けて民間人のスカウトを命じられる。しかし大した計画性も感じられない任務に戸惑うアリア。

大臣の無茶無理にもめげず、小さな人助けをキッカケに少しずつ騎士団の活動を続けていくことに。その甲斐あって、少しずつ周囲から認められていく。

一方、その活躍の裏で様々な人物が暗躍。アストリア王国は大きな戦渦に巻き込まれることに。彼女たちに待ち受ける運命やいかに。

ゲームシステム

戦闘システム

  • エンカウントはシンボルエンカウント方式。
    • 戦闘はドラクエ方式だが馬車のような入替え要素は無い。
      • 特技発動時にカットインや独自のアニメーションを用いることで戦闘に彩りを持たせている。
    • 誰にでも取っつきやすい、非常にシンプルな戦闘システム。

報道システム

  • RPGの世界とはいえ時代は中世の世。アストリア王国の報道機関が定期的に新聞を発行する。
    • ストーリーおさらいに加え、アストリア王国の情勢、国際情勢等の進展具合を理解することが出来る。

評価したい点

異なる立場のキャラクターが複雑に絡み合うストーリー

  • 本作はストーリー無しには語れない作品。
    • 作者様も、ストーリーに力を入れたと公言している。
    • 立場の異なる様々なキャラクターが登場。物語が複雑に絡み合っていく。
  • 長編物ではシナリオ上の矛盾や複雑化が起きやすいが、本作ではその心配は無い。
    • オープニングから画像を駆使して歴史背景、地理的情勢をしっかりと説明している。
      • 状況説明が文字だけで済まされるゲームも少なくない中、プレイヤーへの配慮が伺える。
  • 作者様曰く開発の際に最も苦労したのはシナリオ構築だそう。
    • 本作で最も盛り上がるであろうゲーム終盤の一連のイベントに関しては一時は納得いかず全て削除。
      • その後全て作り直したほど、大変拘りぬいたそう。
        • この拘りがストーリーの高評価に繋がっていると思われる。
      • 終盤の一連のイベントは完成度が高いため是非とも見て欲しい。

適度に挿入されるギャグ要素

  • 謀略、殺害、戦争と重い話が多いので、適度にギャグ要素を入れて緩和させたい想いがあった模様。
    • この点については人によっては賛否両論はあるかもしれない。
  • この思想には同じくギャグRPG「Knight Night」の影響を大きく受けている。
    • 「Knight Night」に出会わなかったらあすななは作られなかった、と作者様は断言している。

中世とファンタジーの融合

  • 序盤こそほのぼのした雰囲気からの仲間集めから始まるが、中盤では膠着状態だった帝国と共和国間でついに大きく物語が動く。
  • ゲーム終盤にかけてはファンタジー要素も色濃く表れていく。
    • ストーリーが展開する中で丁寧に物語の背景、世界観を説明している。
    • 例えば人間は魔法を使えないが、本作では得手不得手はあれど、複数のキャラが魔法を使うことが出来る。
      • RPGの定番だからという理由ではなく、人間が魔法を使えることを納得させる設定がしっかり語られている。
        • プレイヤーは唐突感を感じることなくファンタジー要素を徐々に受け入れていくことが出来るというワケ。
        • こうすることで中世の歴史とファンタジー要素を上手く融合していることが分かる。

気になった点

エンディング周辺

  • 黒幕的展開やエンディングの流れが唐突かつ簡潔に終わってしまい、演出不足感が否めない。
    • エンディングではとあるキャラにフォーカスが当てられてしかるべきだが、そういった演出は一切無かった。
      • なお、これは開発者都合1で泣く泣く駆け足で終わってしまったという残念な背景が…。

キャラクター

  • 本作はアリアを中心としたキャラクターに確かな魅力を感じる。
    • ただその一方で、メインキャラでありながらも、存在する意味が薄いキャラが居るようにも思えた。
      • 長編ゆえか、全てのキャラクターを活かすことが難しいということか。

戦闘システム

  • 本作ではRPGツクールデフォルト戦闘。いわゆるドラクエ式戦闘。
    • 超必殺技ゲージなど特別な要素も無ければ、馬車を使って控えメンバーを交代させるような要素も無い。
      • あまりにもシンプル過ぎて戦闘が作業になりがち。
        • 時代が違えばこれ自体が問題点にはなりえないが、今は有料無料問わずゲームで溢れかえっている時代。
        • この時代にRPGツクールデフォルト戦闘は少しきついものがあることは否めない。

メンバー編成

  • 本作では多くの戦闘参加可能キャラクターが登場する。
    • しかしパーティキャラの編成を行えるようになるのは「ラスダン突入」から。
      • それまではストーリー展開上の都合でいろいろあり、必ず4名以下に収まることに。
        • 恐らくパーティを固定せず色んなキャラクターを試して欲しいという作者様側の意図ではないかと。
        • 編成出来る自由度は欲しかったところ。

総評

あの大震災を機に長年プレイしていたネトゲを引退。
かのネトゲの様な濃密な世界観のお話を作ってみたい――果たして作者様の想いは現実となった。ストーリー面では政治や戦争といったリアルな要素から、ファンタジー要素もバランス良く楽しめる。また、独自のアニメーションを取り入れることで、戦闘シーンを彩る工夫も感じられた。

しかしながら、戦闘アニメーションが凝っているとはいえ、RPGツクールデフォルト戦闘という分かりやすい短所が存在することは事実。また、ギャグ要素も人によっては否定的に捉えられるかもしれない。

ゲームプレイ

Freem!

フリーゲーム夢現

脚注

  1. RPGツクール2000は古いゲームエンジンであり、WindowsOSのバージョンアップにより動かなくなるケースが相次いだ。
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次