Chime

〇SIRENリスペクトを感じる特徴的ゲームシステム
主人公不在。多彩なバックボーンを持つキャラが作り出す青春群像劇
小さな街を舞台に壮大なスケールに展開するストーリーテリング

目次

概要

「galanti」さん製作のフリーゲームADV。
本作のジャンルはミッション遂行型ADVという、一風変わったゲーム性を持つ作品。
とある名作ホラーゲームのゲームシステムを参考にしており、その特殊なゲーム性も大きな特徴。アドベンチャーゲームというジャンルに恥じず、ストーリーもキャラクターも高い評価を得ている作品。

ストーリー

どこにでもありそうな海沿いの小さな街、露麻町。
観光地でも何でもありませんが、この街のシンボルとして大きな塔が建っています。
塔内には大きな鐘があるそうで、かつては美しい音色で人々の耳を楽しませていたものでした。

そんな塔も古びてしまい、鐘も鳴らなくなって久しい現在。
春も近づく頃、遠くから塔を見つめる少年、朝霧翔太。
彼はある噂を思い出していました。

鐘が鳴る時、恋が実る。

何の根拠もない噂ですが、彼には大きな心の支えです。なぜって、それは。
今でも想い続ける初恋相手、静石綾。彼にはとても手の届かない存在だから。

はたして鐘は鳴るのか。
これは露麻町にいる人々の、塔と鐘、生と死、初恋と片思いをめぐる三日間のお話。

ゲームシステム

ミッション選択画面

  • 特定のキャラクターを選択、開始するとそのキャラクターの達成目的(ミッション)が表示される。
    • ミッションを達成できればシナリオクリア。
      • 失敗してもペナルティ無しで何度でもやり直しがきく。
    • ミッションをクリアするごとにどんどん操作可能キャラが増えていき、最終的には10数名を操作できるように。
  • 背景を見ると薄く「初日」と書いているのが分かり、更に上から下へと時系列を表している。
  • アイコンの生き物はそれぞれ本作の登場人物を表している。
    • 個人的には生き物の画像よりも歩行グラのほうが分かり易かったと思うのだが。
    • 同じ位置に動物が並んでいると言うことは、同じ時間帯に行動を起こしていることを示している。
      • これにより、キャラクター同士の相関性がより分かるゲームシステムになっている。
    • 各生物の色や向きが異なるのにはちゃんとした理由がある。
      • 例えば紫色はデモシナリオで操作する必要のないシナリオ。
      • 後ろ向きの場合はやり残した要素がまだ残っていることを意味する。
      • 大変親切で分かりやすい攻略チャートの役割を持っている。

他シナリオとの関連性

  • 特定のキャラクターの行動が他のキャラクターに影響することが多々ある。
  • 一度クリアしたシナリオでも、難易度の上がった「追加目的」シナリオを遊ぶことが可能。
    • 例として元の追加目的シナリオで郷土史を読んでれば、鐘が鳴る塔の存在を第三者に教えるシナリオが発生。
      • このように、登場人物全ての小さな行動が積み重なり、物語を一つの結末に導かれていく。

評価したい点

バラエティ豊かな登場人物

  • 様々な立場や年齢、更には人種までも異なるキャラが多数登場し、ストーリーを盛り上げていく。
    • ただキャラが無駄に多いだけでなく、これだけの面々が大なり小なり、鐘に絡むことになる。

ストーリー構成力

  • 「小さな町にある寂れた塔の鐘が鳴るかどうか」
    • 本作のストーリーの要点はこれだけ。客観的に見て、これだけでは物語のインパクトは薄い。
      • プレイしてみると分かりますが、甘酸っぱい青春、塔と鐘、そして生と死。。
        • 非常に濃い物語が展開されていく。
      • 「鐘が鳴るかどうか」だけの物語をここまで掘り下げた構成力には本当に脱帽させられた。

某名作映画のオマージュ

  • 本作は古い作品ですが映画「ローマの休日」のオマージュでもある。
    • 本作をプレイしてるとニヤリとさせられる演出が多々ある。
      • 世界的にも評価が高いので、一度視聴してみてはいかがだろうか。
        • 総合的には相違点が多いため、映画を観たからといって本作を理解できるわけでないが。
ちなみにこういったオマージュポイントが!(微ネタバレ)
  • アニーが滞在先のホテルから逃亡する際の一連のマップ構成全て。
    • 特に感銘を受けたポイントがコレ。再現度高め。
  • アニーが偽名を名乗る時の名前がアン王女と同じアーニャ。
  • ジェラートを売っているお店がある。
  • ファミレスでワインをねだるアニー(映画ではレストラン)。
  • スクーターに乗ってあたりを走り回る。
  • 真実の口に似たイベントがあり、アニーの体が巻き込まれる。
  • 物語終盤の舞台がダンスパーティの会場。
  • 田原真利雄の下の名前がアン王女の髪をカットした美容師と同じ。
  • 他にもあるかも?

ボイスドラマあり

  • ゲームは苦手、という人はこちらを聴いてみるのはいかがだろうか?
    • しかし残念ながら途中までしか公開されていない。。

特徴的なシステム面

  • 本作のゲームシステムはPS2の名作ホラーゲーム「SIREN」を参考にして作られている。
    • SIRENは強烈なホラー要素を含んでおり、熱烈なファンが居る一方、苦手な人は確実に存在する。
    • 攻略難易度もかなり高めで、かつ戦闘要素もあるため一筋縄ではいかない。
    • 攻略チャートもあるが少々見辛く、そもそもこの攻略チャートに辿り着くのも割と大変。
      • 少し見れば分かると思うが、SIRENは万人受けする作品ではない。
    • 一方で、本作は決してオリジナルに見劣りしないデキであると思う。
      • ホラー要素は本作においては殆ど無い、と言っていいだろう。
      • 難易度も普通であり失敗してもペナルティも無く、その場で何度でもやり直しが可能。
        • しかも、どうしてもクリア出来ないミッションは即時クリア機能というお助け要素を使うことも可能。
      • 攻略チャートもSIRENよりも格段に分かりやすい。
        • どこで詰まっているかが俯瞰的に判断でき、ヒントを見ることで攻略の糸口が簡単につかめる。
          • 一部謎解きが難しく感じたりもするが、ヒントや即時クリアを使えば何とかなるだろう。
      • 参考元のSIRENと比較し、格段にプレイしやすく万人受けすることが分かるはずだ。

気になった点

移動速度

  • 仕方ないことでもあるのですが、特定のキャラクターは移動速度が遅い。
    • 対象は幼い子供や高齢のおばあさんであるため、リアリティを持たせるためにそうしているのだろう。
      • ただ、岩瀬まつのミッションは広い病院内を歩くといったものもあるので、もう少し速度が欲しかったところ。

とあるエンディング

  • とあるエンディングについては不要だったのでは、と少々賛否が分かれた模様。
    • ちなみに私は賛成で、どことなくSIRENリスペクトを感じるため。
ちなみにこんなエンディング(ネタバレ注意)
  • シナリオ攻略途中でまだ多くの未達成シナリオがあるにも関わらず唐突に最終話に突入。
    • あまり攻略に関わりのないキャラが唐突に野外ライブを実行してスタッフロールが流れて終わり。
  • ちなみにSIRENも内容は異なるものの、流れは同じエンディング。
    • シナリオ攻略途中でまだ多くの未達成シナリオがあるにも関わらず唐突に最終話に突入。
      • 主人公の須田恭也が剣や銃といった武器で武装し、屍人(敵)を相手に無双する。
        • エンディングテーマが随分とファンキーで印象に残る。
        • そしてスタッフロールが流れて終わり。

総評

Chimeはストーリー、キャラクターを中心に評価が高いアドベンチャーゲーム。
ミッション遂行型というSIRENリスペクトを感じる点も特徴であり、他ゲームとの差別化に成功している。難易度も高くないしこれといって目立った欠点もない、万人にオススメできる作品。気になったかたは是非プレイしては如何だろうか。

ゲームプレイ

公式サイト(公開停止中)

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