Tear Of Vanadies

〇当時では珍しいクロノトリガーライクなオリジナルシステム
〇熱く盛り上がる王道ストーリー展開
〇脚本、システムバランス、マップ等細かいところに難あり

目次

概要

「コルトワールド」様製作のフリーゲーム。
拘りの王道ストーリーと当時では珍しい自作ゲームシステムが特徴的な作品。
当時はツクール作品が有料で販売されることは珍しかった時代で、本作は一度シェアウェアとして公開。その後フリーとして公開されるという、通常のフリーゲームとは少し異なった経緯を持つ。

ストーリー

強力な軍事力を持つクローディア財団。
このロボットは他国侵略のために使われる軍事兵器。
地上では彼らの活動が活発化しており、世界的な問題になりつつあった。

一方その頃、天空の浮遊都市に住む主人公ティンクとその友人リルクとラックス。
2人とも師匠リオのもとで鍛えられ、剣技大会の決勝戦に出場するまでに成長。
その後、リオは地上の動向がおかしいことを聞きつけ、調査のため地上に赴くことに。
ティンク達は外の世界を見てみたい想いから同行を希望するが、経験・能力不足ゆえ拒否されてしまう。

諦めきれない男子達はこっそり後を付け、何とか地上世界に降り立ったティンク達。
とあるイベントを機にフレイヤの石を受け取ることから彼らの物語は大きく動き始める。
暗躍する謎の組織とは?予言書に記された神の復活とは?フレイヤの石が持つ奇跡とは?
ティンク達の運命やいかに。

ゲームシステム

戦闘システム全般

  • アクティブゲージ(青、緑、黄色のゲージ)
    • 最大で3ゲージ貯めることができ、黄色、緑、青の順で増えていく。
      • 黄色になった段階で行動可能となる。
        • ゲージが溜まっていない状態だと、通常より大きなダメージを受けてしまう。
  • 体力ゲージ(ピンク色のゲージ)
    • 必殺技や魔法を使う度に減っていき、少ないほど各種パラメータが低下してしまう。
  • 通常攻撃
    • 攻撃レベルA~Cの三段階にそれぞれ3つの技がセットされている。
      • アクティブゲージが多いほど多数の技を選択でき、連続攻撃が可能。
        • 体力ゲージが減らないのが大きなメリット。
  • 必殺/術
    • 体力ゲージとアクティブゲージを使用して強力な必殺技や魔法を放てる。
      • 選択しただけでは発動待ち状態のため、更に追加のキャンセルキーを押す必要がある。
      • 中には他のキャラと連携して発動する合体技もある。
        • 発動待ち状態のキャラとタイミングが合致することで発動できる。
  • 道具
    • ゲージを一本分消費し、アイテムを使うことが出来る。
      • 体力の少ない味方の前面に立ち、攻撃をかばうといった運用が可能。
      • 通常よりも効果が大きいものが多く、使いどころが肝要。
  • 移動
    • 特にアクティブゲージを使わずにできる行動。
      • 体力の少ない味方の前面に立ち、攻撃をかばうといった運用が可能。
  • 逃走
    • アイテム『戦闘回避』を所持している場合、逃走することが可能。

成長システム

  • 本作には経験値という概念は存在しない。
    • 戦闘結果に応じて各パラメータが上昇する仕様。

奥義習得システム

  • 本作では技や術の習得は秘伝書で習得でき、主にダンジョンで手に入る。
    • 強力な反面、タダでさえ難しめのゲームなので、取りこぼしてしまうと命取りになる可能性も。
      • 救済措置としてゲーム終盤で回収可能だが、極力回収することを推奨する。

評価点システム

  • 戦歴がそのまま獲得ポイントとなり、そのポイントを利用してアイテムと交換することが可能。
    • 貰えるアイテムが完全ランダムかつ、セーブロードを駆使しても結果が全く一緒になるのが最大の特徴。
      • どういうロジックなのか定かではないが、他では中々見られない思い切った調整だと思う。
      • 酷いときは薬草、運が良い時はとびきりのレアアイテムを入手することも。

評価したい点

オリジナリティあるゲームシステム

  • 戦闘システムではクロノトリガー1に似たシステムを搭載。
    • しかしこちらは最大3ゲージまで活用できる拡張性がある。
      • 戦闘中には移動コマンドを使用することで敵の攻撃を巧みに避けることが出来る戦略性も秘めている。
    • ゲームシステムの項で解説したように合体技も存在する。
      • 派手なアニメーションかつ強力な攻撃手段は冒険を彩ってくれることだろう。
    • 必殺技だけでなく通常攻撃も弱>中>強、と存在。それぞれにモーションが用意されている。
      • この豊富なアニメーション数は評価できる。
      • 魔法使いキャラは通常攻撃を持っていないのは残念だが…。

分かりやすい王道ストーリー

  • 典型的な主人公と悪の組織。神の存在。加えて王道ゆえの定番の演出で物語を盛り上げていく。
    • 要所要所で入る熱いイベント演出は確かな評価点といえる。
    • 本作は伏線等はあまり無く、純粋な物語や戦闘を楽しむゲームである。
    • ボス戦BGMは直前のイベント演出も相まってなかなかカッコいい。
  • サブキャラや悪役が中々いい味を出しており、特に悪役のダリルアーゼは屈指の良キャラ。
    • 是非とも遊んでみて、彼の良さを感じて欲しい。

気になった点

面倒な特殊シンボルエンカウント

  • 一般的にシンボルエンカウント方式の大きな利点は「敵との戦闘を狙って回避できる」ことにある。
    • 本作では、敵の居るマップ範囲に足を踏み入れた瞬間、強制的に戦闘が開始されてしまう。
    • 先に進むこと≒全ての敵を倒すことに繋がるため、従来のシンボルエンカウント方式の利点を活かせてないと言える。
      • では、この画期的な戦闘システムを楽しみながら全ての敵を倒せばいいのかと言うと…。

テンポが悪くストレスが溜まりやすい戦闘

  • 本作は最大3ゲージあるアクティブゲージを長く溜める必要がある仕様になっている。
    • そのためか、味方と比較して敵側の行動が多くなりがち。
      • 全体的にこの傾向が強くテンポが悪くなりがちなことは否定できない。
    • 戦闘に慣れてくると改善傾向になるものの、適切かつ最速の立ち回りが必要になってしまう。
      • コマンドの最速入力や適切な合体技の使用、最適な装備変更など。
      • 合体技についても特にヒントも無いので知らないで進めるとかなりキツイ。

要所で作り込みに欠ける設計面

  • ゲームを盛り上げるRPG的な要素が不足していると感じる面が多々ある。
  • パーティキャラの入れ替えが不可。
    • 途中でパーティが入れ替わることはあれど、選択して入れ替えることは不可。
  • ステータス異常が(戦闘不能を除き)2種類とほぼ皆無。
    • 風邪(体力が徐々に低下)と眠り(一定時間行動不能)のみ。
    • しかもこれらはゲーム序盤のみで後半は全く影をひそめる。
    • さらに味方側はステータス異常の攻撃手段が無い。
  • マップ、BGM、敵グラの使いまわしが目立つ。
    • ゲーム素材の少なかった当時では仕方ないところもあるが…。
  • 宝箱で手に入るアイテムの種類が少なすぎる。
    • その最たる例が「スタミナ草」である。
      • これは体力ゲージが1/3回復するアイテムで、かなり有能なアイテム。
      • 詰み状態になるのを恐れてだろうか、ダンジョンのあらゆる場所で手に入る。
      • 早々にアイテム所持数が上限に達してしまい、寧ろ嫌がらせにすら感じる。
  • 装備の拡張性がほとんどない。
    • 本作では武器防具の概念は無く、アクセサリーしか装備できない。
    • アクセサリーもゲーム全体を通して10数個程度しか存在しない。
    • せっかくの長編RPGなのに新しいアイテムを入手して強くなる楽しみが薄い。

キャラクターの扱い

  • 評価点でも少し触れたが、本作はサブキャラクターの魅力が高く、ダリルアーゼはその典型。
    • 逆に言えば、メインキャラの3名はそうでもない。
    • ティンクはともかく、残りの2人はキャラの掘り下げが全くと言って良いほど行われない。
  • しかも、やや強引に感じるストーリー展開によって、一部のキャラが離脱してしまうのが痛い。
    • なお、この問題点は作者様も認識2している模様。

総評

20年近く前という古い作品でありながらも、独自のシステムを構築したことや王道ストーリーは十分に評価できる。しかし、マイナスに感じる要素が多いため広くお勧めできるかといえば、首を縦に振りづらいところ。光るものはあったため、色々と惜しい作品だった印象。

良くも悪くも癖のあるFCやSFC時代のRPGをイメージすると分かりやすいかも。
いつかリメイクが出て欲しいなぁと思う作品である。

ゲームプレイ

Freem!

フリーゲーム夢現

脚注

  1. 作者様もクロノトリガーを意識して製作したことは事実らしく、当時のRPG全盛に影響を受けた一人のようです。
  2. 「サブキャラに注力し過ぎて主人公3人が薄くなった」「安易にキャラを離脱させてしまった」と後悔の念を語っている。
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次